中学生になると、親の言うことを素直に聞かなくなったり、 言い返したり、これまでとは違う行動を取ったりすることがあります。
そんなとき、「反抗期だから仕方ない」と思うこともあるでしょう。
でも私は、中学校で子どもたちと関わってきた経験から、 「反抗期だから」という言葉だけで片づけてしまうと、 その子が本当に伝えたいことを見落としてしまうことがある と感じています。
服装や遅刻が目立つ女の子
私が中学2年生の担任をしていたときのことです。
クラスに、服装について注意されることが多く、 遅刻することもある女の子がいました。
保護者の方からも、 「家でも反抗的になってきました」 「服装も乱れてきて心配です」 という相談を受けました。
表面だけを見ると、確かに 「反抗期の子」「指導が必要な子」 と見えたかもしれません。
でも、私はその子を毎日見ていました。
授業や学校生活の中では、 やらなければならないことはきちんとやる。
根はとても真面目な子でした。
だから私は、服装について必要なときには軽く注意しましたが、 何度も細かく言うことはしませんでした。
それよりも、 この子がクラスで安心して過ごせること。 学校に来たときに楽しく過ごせること。
そこを大切にしました。
「家にも生徒指導の先生がいる」
しばらくすると、その子は少しずつ いろいろなことを話してくれるようになりました。
あるとき、家庭のことを話している中で、 こんな言葉が出ました。
学校の生徒指導の先生がいるみたい。」
私は、その言葉がとても印象に残っています。
保護者の方は、その子のことが心配だったのだと思います。
服装も、遅刻も、生活習慣も、将来のことも。
親だからこそ、間違った方向に行かないようにしてあげたい。 だから注意する。だから声をかける。
それは自然なことです。
でも子どもの側からすると、 「また注意される」 「また直される」 「ずっと見られている」 そんな感覚になってしまうことがあります。
親が一生懸命になればなるほど、 子どもにとっては家まで学校の続きのように 感じられることがあるのです。
注意しないことが大切なのではありません
私は、「子どもには何も言わない方がいい」 と考えているわけではありません。
服装について注意が必要なら注意する。 遅刻が続けば、その理由を一緒に考える。 提出しなければならないものがあれば伝える。
大人には大人の役割があります。
ただ、注意することそのものが目的になってはいけない と思っています。
大切なのは、 「この子はなぜ今、こんな行動をしているのだろう」 と考えることです。
表面に出ている行動だけを見るのではなく、 その奥にある気持ちを見る。
「管理より先に、その子を見る」
真面目な子ほど苦しくなることもある
中学生を見ていると、 反抗しているように見えて、 実はとても真面目な子がいます。
やらなければならないことも分かっている。 親が心配していることも分かっている。
でも、自分でも思うようにできない。
そんなときに、 「ちゃんとしなさい」 「早くしなさい」 「勉強しなさい」 と言われ続けると、
「自分でも分かっているのに」
という気持ちが強くなることがあります。
そして、家族に反発したり、 何も言わなくなったり、 自分の部屋にこもったりする。
それをすべて「反抗期」で終わらせてしまうと、 本当は何に困っているのかが見えなくなります。
中学生には「自分で決める余白」が必要です
小学生のころまでは、親が予定を決めたり、 勉強を見たりすることがうまくいっていた家庭でも、 中学生になるとうまくいかなくなることがあります。
これは、親が間違っているからとは限りません。
子どもが成長しているからです。
中学生になると、 「自分で決めたい」 「自分のことは自分でやりたい」 「今は口を出してほしくない」 という気持ちが少しずつ強くなります。
そんなとき、大人が全部決めてしまうより、
「どっちがいい?」
「今日はどこまでならできそう?」
と聞いてみる。
全部を任せる必要はありません。
小さなことから、自分で決める余白をつくる。
それだけでも、 子どもの反応が変わることがあります。
保護者の方にも伝えました
先ほどの女の子の保護者の方にも、 私は本人が感じていることを、 責めるのではなく、できるだけ柔らかくお伝えしました。
保護者の方は、その話をきちんと受け止めてくださいました。
その子が卒業したあとも、 何度も私のクラスに花を届けてくださいました。
そして後になって、
と言ってくださいました。
私にとっても忘れられない言葉です。
生徒指導というと、 「ルールを守らせる」 「間違った行動を直す」 というイメージを持たれることがあります。
でも私は、それだけではないと思っています。
子どもをよく見ること。
話せる関係をつくること。
その子自身が自分で考えられるように支えること。
それも大切な生徒指導です。
「反抗している子」ではなく、「今困っている子」かもしれない
子どもの言葉遣いが強くなった。 部屋に入ることを嫌がるようになった。 親の言うことを聞かなくなった。 学校に行きたくないと言う。 勉強しなくなった。
そんな姿を見ると、 親として心配になるのは当然です。
でも、
「今、何かに困っているのかもしれない」と見るのでは、
子どもへの声のかけ方が変わります。
すぐに答えが見つからなくてもいいと思います。
「どうしたの?」と何度も問い詰める必要もありません。
ただ、 「この子は今、何を感じているのだろう」 と考えて見るだけでも、気づけることがあります。
中学生は、大人から少しずつ離れながら、 それでもまだ大人を必要としている時期です。
だからこそ、
私は今も、このことを大切にしています。
一緒に考えてみませんか?
「勉強しなさいと言うほど反発する」
「どう声をかければいいのか分からない」
「学校や勉強のことで少し心配している」
JUN SENSEIでは、今のお子さんの様子をお聞きしながら、
学習のことだけでなく、これからどのように関わっていくかも
一緒に考えています。
お話を伺ったからといって、受講を決める必要はありません。
