中学生が読む『ふうか色々人生』|第1回
「実は 100 億円当たりました」
2020年4月1日、午前10時1分。
病室で暮らす中学3年生のふうかちゃんが、Twitterにこんな言葉を残した。
100億円! いったい何が起きたのだろう。
でも、この日は4月1日。エイプリルフールだった。ほんの一言なのに、読んだ人が思わず立ち止まってしまいそうな投稿だ。
しばらくして、午前11時22分。
「アニメみます」
今度は、いつもの日常のひとこと。どんなアニメを見ようとしていたのだろう。投稿には作品名は書かれていない。
そして、夕方5時24分。
「たくさんねました」
ふうかちゃんには、体調がすぐれず、眠って過ごす日もあった。この日の投稿からも、眠る時間が長かったことが伝わってくる。
夜7時22分には、こんな言葉まで残っていた。
「ご飯残したからおなかすいた」
ご飯を残したのに、あとからおなかがすく。そんな何気ない出来事も、ふうかちゃんの一日の一部だった。
そして夜10時6分。
うちが毎日聴いてるプレイリストです
みんなと一緒に聴きたいです
好きな音楽を紹介する投稿だった。そこには、いつも聴いている曲を、誰かと一緒に楽しみたいという言葉があった。
100億円の冗談から始まり、アニメ、眠ったこと、おなかがすいたこと、そして音楽。
特別な事件が起きたわけではない。それでも、ふうかちゃんがその日を過ごし、自分の言葉で残した時間がここにある。
精一杯生きるというのは、何か大きなことを成し遂げることだけなのだろうか。
ふうかちゃんの4月1日は、そんなことも考えさせてくれる一日だった。
この物語は、ふうかちゃんが2020年4月1日に残したTwitter投稿をもとに構成しています。投稿の引用は原文の表記を大切にし、確認できない会話や気持ちを事実として書いていません。
