「もう二学期なのに、志望校が決まっていません」
9月になると、このような不安を感じる中学3年生や保護者の方が増えてきます。
周りの友達が志望校の名前を話し始めると、自分だけが遅れているように感じるかもしれません。
しかし、9月の時点で志望校が一校に決まっていなくても、決して遅すぎるわけではありません。
大切なのは、焦って学校を決めることではなく、これから判断するための情報を集め始めることです。
進路指導の進め方は学校によって異なります
私は中学校に勤務していた頃、1学期の終わり頃から生徒・保護者との三者面談を何度も行っていました。
中学3年生は年間を通して業者テストを受け、その偏差値や得点、学校の成績などを合わせながら、志望校について考えていきました。
一方で、進路面談の回数が少ない学校や、学校で外部模試を実施していない学校もあります。高校については、教室に置かれた学校案内などを使い、生徒自身が調べることを重視している学校もあります。
どの方法が正しい、間違っているということではありません。
ただし、学校によって受けられる進路支援の内容が違うことは、保護者も知っておく必要があります。
まずは、次のことを学校に確認してみてください。
- 今後、三者面談はいつ行われるのか
- 志望校を考える際に、学校ではどのような資料やデータを使うのか
- 学校で模試や業者テストを実施しているのか
- 志望校をいつ頃までに絞る必要があるのか
- 次の定期テストが進路判断にどのように関係するのか
学校からの説明を待つだけでなく、分からないことはこちらから質問して構いません。
まずは入試制度と日程を確認する
高校入試の制度は、都道府県や学校によって異なります。
内申点に含まれる学年や教科、学力検査との比率、面接・作文・特色検査の有無なども同じではありません。
欠席や遅刻、資格、部活動などの扱いについても、うわさや過去の情報だけで判断せず、学校や教育委員会、高校の公式資料で確認することが大切です。
最初に確認したいのは、次の3点です。
- 志望する地域の入試制度
- 学校説明会や出願、試験の日程
- 現在の成績と志望校との距離
すべてを一度に理解する必要はありません。
まず日程を一枚の紙やカレンダーに整理するだけでも、今後やるべきことが見えやすくなります。
志望校は一校に決めず、比較するところから始める
まだ行きたい高校が分からない場合、最初から一校に絞る必要はありません。
まずは、少しでも気になる学校を複数挙げて比較してみましょう。
比較するときは、偏差値だけでなく、次のような点も確認します。
- 自宅から無理なく通えるか
- 学びたい教科やコースがあるか
- 校則や学校生活の雰囲気が本人に合うか
- 部活動や学校行事に魅力を感じるか
- 補習や進路指導などの支援があるか
- 大学進学や就職など、卒業後の進路はどうなっているか
- 私立高校の場合、学費や支援制度はどうなっているか
友達と同じ高校に行きたいという気持ちも、志望校を考える一つのきっかけです。
ただし、友達が選んだからという理由だけで決めず、「自分にとっても通いたい学校なのか」を一度考えてみることが必要です。
学校で模試がない場合は、外部模試を活用する
学校の定期テストだけでは、地域全体の受験生の中で自分がどの位置にいるのか分かりにくいことがあります。
学校で模試を実施していない場合は、都道府県の入試制度や受験者層に合った外部模試を利用する方法があります。
模試では、主に次のことを確認できます。
- 現在のおおよその学力
- 志望校に対する判定
- 教科ごとの弱点
- 時間配分や入試形式への慣れ
- 今後、重点的に勉強する単元
ただし、一度の模試の判定だけで、志望校を諦める必要はありません。
体調、未習範囲、問題との相性などによって、得点は変わります。判定だけを見るのではなく、何ができていて、どこを改善すればよいのかを見ることが大切です。
可能であれば、同じ種類の模試を継続して受けると、学力の変化も確認しやすくなります。
学校説明会では「入れるか」だけでなく「通い続けられるか」を見る
学校説明会やオープンスクールでは、入試の難易度だけでなく、入学後の生活も確認してください。
実際に通うのは、保護者ではなく本人です。
通学時間、校舎の雰囲気、先生や在校生の様子などは、資料だけでは分かりません。
本人には、見学後に次の二つを聞いてみるとよいでしょう。
- 良いと思ったところ
- 少し気になったところ
「この学校に入りたい?」とすぐに結論を求めるよりも、感じたことを一つずつ言葉にしてもらう方が、本人の考えを整理しやすくなります。
説明会の予約が必要な学校もあるため、日程は早めに確認しておきましょう。
三者面談までに聞きたいことを準備する
三者面談は、先生から志望校を決めてもらう場ではありません。
現在の状況を確認し、家庭と学校で情報を共有するための場です。
面談前に、次のような質問を準備しておくと話が具体的になります。
- 現在の成績では、どの程度の学校を検討できるのか
- 学校はどの資料を基に進路を判断しているのか
- 次の定期テストまでに何を改善すべきか
- 提出物や授業への取り組みで見直す点はあるか
- 志望校を決めるまでに、今後どのような面談があるのか
- 学校説明会や模試について、学校から案内はあるのか
面談で聞いた内容は、帰宅後に本人と一緒に整理しましょう。
その場で結論を出せなくても問題ありません。
将来の夢が決まっていなくても、高校は選べます
「将来何になりたいのか分からないから、高校も選べない」
そう感じる中学生も少なくありません。
中学3年生の時点で、将来の職業まで決まっている必要はありません。
夢から逆算できないときは、次のような身近な基準から考えてみましょう。
- 得意または好きな教科
- 苦手でも、もう少し学びたい教科
- 興味のある部活動
- 自由な雰囲気と規律のある雰囲気のどちらが合うか
- 大人数と少人数のどちらが過ごしやすいか
- 高校卒業後に進学と就職のどちらも選べるか
「何をしたいか」だけでなく、「どのような環境なら3年間通えそうか」を考えることも、立派な進路選択です。
保護者が急いで答えを出さないことも大切です
保護者としては、早く志望校を決めて安心したくなるものです。
しかし、「早く決めなさい」と繰り返しても、本人の中に判断材料がなければ答えは出ません。
保護者ができるのは、学校の情報や日程を整理し、説明会へ行く機会をつくり、本人の話を聞くことです。
本人の考えに現実的な難しさがある場合も、最初から否定するのではなく、「実現するには何が必要か」を一緒に確認してみてください。
進路について考えることと、現在の成績を責めることは別です。
責められていると感じると、子どもは進路について話すこと自体を避けるようになることがあります。
9月は「決定する時期」ではなく「動き始める時期」
9月の時点で志望校が決まっていなくても、焦って一校に決める必要はありません。
ただし、何もしないまま三者面談を待つのではなく、
- 入試制度を確認する
- 気になる学校を複数挙げる
- 学校説明会の日程を調べる
- 必要に応じて外部模試を受ける
- 学校へ確認したいことを整理する
という行動は、今から始めましょう。
情報が増えると、本人が選べるようになります。
進路選択で大切なのは、周囲に急かされて学校名を決めることではなく、本人が「なぜこの学校を選ぶのか」を少しずつ自分の言葉で説明できるようになることです。
JUN SENSEIでは、現在の学力や学習状況を整理し、志望校に向けて何から取り組むかを一緒に考えています。
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