帰国後の定期テストで戸惑わないために|海外在住の中学生が知っておきたい日本の学校の「テスト・提出物・内申」

「日本の中学校に戻ったら、勉強だけできれば大丈夫?」

海外から日本への帰国を考えている中学生の保護者の方にとって、学習内容と同じくらい分かりにくいのが、日本の中学校での成績のつき方ではないでしょうか。

日本の中学校では、定期テストだけで学校の成績が決まるわけではありません。

授業への取り組みや提出物なども含めて評価され、その学校での成績が高校受験に関係する場合もあります。

海外の学校とは仕組みが違うため、帰国後に初めて、

「ワークも提出するの?」

「テストで点数を取ればいいわけではないの?」

「内申って何?」

と戸惑うこともあります。

そこで今回は、海外在住の中学生と保護者の方に向けて、帰国前に知っておきたい日本の中学校の

「定期テスト」
「提出物」
「学校の成績・内申」

について、分かりやすくお伝えします。

※学校の評価方法や高校入試での扱いは、学校・地域・入試制度によって異なります。実際に帰国する学校や志望校については、最新の情報を個別に確認してください。


日本の中学校では、何で成績が決まるのですか?

まず知っておきたいのは、

「定期テストの点数だけで成績が決まるわけではない」

ということです。

日本の中学校では、教科の学習状況について、テストだけでなく日々の学習活動も含めて評価されます。

たとえば、

  • 定期テスト
  • 小テスト
  • 授業中の課題
  • ワークやプリント
  • レポート
  • 実技
  • 発表
  • 学習への取り組み

など、さまざまな学習の記録が評価材料になることがあります。

そのため、

「テストで良い点を取れば、それだけで大丈夫」

とは限りません。

海外から帰国する場合は、教科内容だけでなく、こうした日本の学校の学習の進め方にも少しずつ慣れていく必要があります。


1.日本の中学校の「定期テスト」とは?

中学校では、学校によって時期や回数は異なりますが、学習した内容をまとめて確認するテストがあります。

一般に、

  • 中間テスト
  • 期末テスト
  • 定期考査

などと呼ばれます。

数週間から数か月分の学習内容が、まとまった範囲として出題されることがあります。

海外の学校で、

「単元ごとにテストがある」

「課題やプロジェクトの評価が中心」

という環境で学んでいたお子さんにとっては、

広い範囲をまとめて復習する

という日本の定期テストに最初は戸惑うかもしれません。

定期テスト前には何をするの?

学校によって異なりますが、テスト前になると、

「○ページから○ページまで」

というように、教科ごとのテスト範囲が示されることがあります。

その範囲をもとに、

  • 教科書を確認する
  • ノートを見直す
  • 学校ワークを解く
  • 間違えた問題を解き直す
  • 漢字や英単語を覚える

などの準備をします。

ここで大切なのは、

「テスト前になって初めて全部覚える」のではなく、普段から少しずつ学習しておくこと

です。

特に帰国直後は、日本語で問題を読むことにも時間がかかる場合があります。

最初から高得点だけを目標にするより、

「どんな問題が出るのか」
「どのくらいの時間で解くのか」
「どうやってテスト勉強をするのか」

を知ることから始めても大丈夫です。


2.学校のワークや提出物は、なぜ大切なのですか?

日本の中学校に帰国したお子さんが意外と戸惑いやすいのが、

「提出物」

です。

学校では、教科書とは別にワークやプリントなどを使うことがあります。

先生から、

「ここまで○日までに提出してください」

と言われることもあります。

海外の学校ではオンラインで提出していたり、授業内ですべて終わらせていたりすると、

「家でやって学校へ持っていく」

という習慣そのものに慣れていない場合があります。

提出物は「出せばいい」だけではありません

提出期限に間に合わせることは大切です。

ただし、

答えを写して、とにかく提出する

ことが目的になってしまうと、学習としての意味は小さくなってしまいます。

ワークは、

  1. まず自分で解く
  2. 丸つけをする
  3. 間違えた問題を確認する
  4. 必要なら解き直す

という使い方をすると、定期テストの準備にもつながります。

提出物を、

「学校へ出すもの」ではなく「自分の苦手を見つけるもの」

として使えるようになると、日本の学校の学習にも慣れやすくなります。


3.「内申」とは何ですか?

帰国後の高校受験について調べ始めると、

「内申」

という言葉を目にすることがあります。

保護者の方からすると、

「通知表とは違うの?」

「テストの点数のこと?」

と分かりにくい言葉かもしれません。

一般に高校受験で「内申」と呼ばれているものは、中学校での教科の成績などをもとにした情報を指すことが多くあります。

高校入試でどの学年の成績が使われるか、どのように扱われるかは地域や学校、入試方式によって異なります。

そのため、

「内申は全国どこでも同じ仕組み」

ではありません。

帰国予定の地域や志望校が決まったら、

  • どの学年の成績が関係するのか
  • どの教科が対象になるのか
  • 一般入試と帰国生入試で違いがあるのか

などを確認しておくと安心です。


帰国したら、すぐに全部できないといけませんか?

いいえ。帰国したばかりで、日本の学校の仕組みにすぐ慣れなくても不思議ではありません。

教科書が違う。

時間割が違う。

先生からの指示の出し方が違う。

提出方法が違う。

テスト勉強の仕方も違う。

海外で長く学校生活を送っていたお子さんにとっては、それだけでも大きな環境の変化です。

帰国直後から、

「提出物も完璧」

「テスト勉強も完璧」

「成績もすぐに上げる」

と全部を求める必要はありません。

まずは、

① 学校生活の流れを知る
② 提出期限を確認する
③ テスト範囲の見方を覚える
④ 少しずつ自分で学習予定を立てる

という順番で慣れていけば大丈夫です。


帰国前に知っておくと安心な5つのこと

1.学校からの連絡を確認する習慣

テスト日程や提出期限、学校行事などは、学校から案内されます。

帰国直後は特に、

「いつ、何をしなければならないのか」

を保護者と一緒に確認すると安心です。


2.提出物には期限がある

ワークやレポートには提出日が決められることがあります。

海外での学校生活と違う場合は、最初はカレンダーなどに書いて見えるようにしておくとよいでしょう。


3.テストは「範囲」を確認して準備する

定期テストでは、範囲を確認して計画的に学習することが大切です。

「数学20ページ、英語30ページ」

といった範囲が出たときに、

いつ、どの教科を、どこまでやるか

を分けて考えます。

最初から細かい計画を作る必要はありません。

「今日は数学を5ページ」

程度からでも十分です。


4.分からない指示は、そのままにしない

帰国したばかりのころは、

「提出」

「再提出」

「範囲」

「評価」

「観点」

など、日本の学校独特の言葉が分からないこともあります。

分からない言葉が出てきたら、先生や家族に確認しましょう。

分からないまま放置すると、

勉強ができないのではなく、指示の意味が分からなくて提出できなかった

ということも起こります。


5.高校受験が近い場合は、早めに学校へ確認する

特に中学3年生や、中学2年生の後半で帰国する場合は、高校受験について早めに確認しておくことをおすすめします。

一般入試を受けるのか。

帰国生入試を利用するのか。

どの成績や書類が必要になるのか。

これは志望校や地域によって異なります。

帰国時期が決まった段階で、

「うちの場合は何が必要なのか」

を確認しておくと、その後の学習計画も立てやすくなります。


保護者は、帰国直後に何を確認すればいいですか?

帰国後は、次のようなことをお子さんと一緒に確認してみてください。

  • 次の定期テストはいつか
  • テスト範囲はどこで確認するか
  • 提出物は何があるか
  • 提出期限はいつか
  • 分からない授業はあるか
  • 日本語で理解しにくい指示はあるか
  • 高校受験に必要な情報は何か

全部を保護者が管理する必要はありません。

最初は一緒に確認しながら、

少しずつ本人が自分で把握できるようにしていく

ことが大切です。


「提出物を出さない=やる気がない」とは限りません

帰国後、

「ワークを出していなかった」

「提出期限を忘れていた」

ということがあると、つい、

「どうしてちゃんとしないの?」

と思ってしまうかもしれません。

でも、海外から帰国したばかりのお子さんの場合、

そもそも日本の学校のルールをまだ理解できていない

可能性もあります。

いつ提出するのか。

どこまでやるのか。

丸つけをして出すのか。

先生へ直接渡すのか。

学校によってルールも違います。

まず、

「何が分からなかったの?」

と確認してみてください。

仕組みが分かれば、できるようになることもあります。


よくある質問

Q.日本の中学校は、定期テストの点数だけで成績が決まりますか?

定期テストだけでなく、日々の学習活動や課題なども含めて評価されます。

具体的な評価方法は学校や教科によって異なるため、帰国後に学校からの説明を確認してください。

Q.提出物を忘れると高校受験に影響しますか?

高校受験で使われる学校成績の仕組みは地域や入試方式によって異なります。

提出物だけで何かが決まるわけではありませんが、日々の学習をきちんと行うことは大切です。

帰国予定地域の高校入試制度については、早めに確認しておきましょう。

Q.海外の学校では成績が良かったのですが、日本でも同じように評価されますか?

海外と日本では、授業内容だけでなく評価方法も異なる場合があります。

海外での成績が良いことは大きな強みですが、日本の学校のテストや提出物の仕組みに慣れる時間が必要なこともあります。

Q.帰国したばかりでも、すぐ内申を気にしたほうがいいですか?

学年や帰国時期によって異なります。

特に高校受験が近い場合は早めに確認する必要がありますが、帰国直後からお子さんに過度なプレッシャーをかける必要はありません。

まず、学校の仕組みを理解するところから始めましょう。


日本の学校の「仕組み」を知ることも、帰国準備の一つです

帰国準備というと、

国語を勉強する。

数学を復習する。

英語を確認する。

といった「教科の勉強」を思い浮かべることが多いと思います。

でも、中学生の場合は、

日本の学校では、どうやって学習を進めるのか

を知っておくことも大切な帰国準備です。

定期テスト。

提出物。

学校の成績。

高校受験。

これらの仕組みを少し知っているだけでも、帰国後の戸惑いは減らせます。

そして、最初から全部できなくても大丈夫です。

海外で身につけた力を大切にしながら、

日本の学校のやり方を、一つずつ覚えていく。

それも帰国後の大切な学びです。


帰国後の勉強について心配な方へ

帰国する学年や時期によって、

「何を優先すればいいか」

は変わります。

学校の授業。

定期テスト。

提出物。

高校受験。

全部を同時に完璧にしようとすると、お子さんの負担が大きくなることもあります。

まず現在の状況を確認して、

今、何から始めればいいのか

を整理してみましょう。

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JUN SENSEI|海外子女・帰国準備コラム

元中学校教員の視点から、海外で学ぶ中学生と保護者の方へ、帰国前の学習準備、日本の学校との違い、高校受験や帰国生入試について分かりやすくお伝えします。