中学受験では頑張れたのに、中学に入って勉強しなくなったのはなぜ?|『やる気がない』と決めつける前に

中学受験では頑張れたのに、中学に入って勉強しなくなったのはなぜ?

「中学受験のときは、あんなに頑張っていたのに……」

「毎日塾にも行っていたし、宿題もしていた。それなのに、中学生になった途端に勉強しなくなった」

中学受験を経験したご家庭から、こんなお話を聞くことがあります。

せっかく希望する学校に合格したのに、家ではスマホを見たり、ゲームをしたりして、なかなか机に向かわない。

そんな姿を見ていると、

「受験が終わって気が抜けてしまったのかな」

「どうしてこんなにやる気がなくなったんだろう」

と心配になるのも当然だと思います。

でも、ここで少し考えてみてほしいことがあります。

本当に「やる気がなくなった」のでしょうか。

もしかすると、お子さんはただ、

「自分でどう勉強すればいいのか分からない」

だけかもしれません。

中学受験中には「勉強のレール」があった

中学受験をしている時期を思い出してみてください。

多くのお子さんには、ある程度決められた学習の流れがあります。

塾へ行けば、

「今日はこれを勉強する」

「次回までにこの宿題をする」

「日曜日はテスト」

「間違えた問題はここを直す」

と、やることが決められています。

さらに家庭でも、

「宿題した?」

「明日は塾だよ」

「今度テストだから復習しようね」

と、保護者の方が声をかけていたのではないでしょうか。

つまり中学受験中は、本人がすべてを考えなくても、

塾や家庭が学習のレールを作ってくれていた

というケースが少なくありません。

お子さんは、そのレールの上を一生懸命走っていたのです。

だから、受験を頑張れたことと、自分一人で学習計画を立てられることは、実は別の力なのです。

合格した途端、そのレールがなくなる

そして中学校へ入学します。

すると環境が大きく変わります。

学校から宿題は出る。

小テストもある。

定期テストもある。

部活動も始まる。

友達との時間も増える。

ところが、

「今日、何を勉強するのか」

「いつからテスト勉強を始めるのか」

「どの教科を優先するのか」

「分からない問題をどうするのか」

については、自分で判断しなければならない場面が一気に増えます。

ここで初めて、

「自分で勉強を組み立てる力」

が必要になります。

ところが、この力は中学受験を経験したからといって、自然に身についているとは限りません。

これまで大人が作ってくれていた学習のレールが突然なくなれば、どこへ向かえばよいのか分からなくなる子がいても不思議ではありません。

「何をしたらいいか分からない」が「何もしない」になる

大人から見ると、

「宿題があるならやればいい」

「テストがあるなら勉強すればいい」

と思うかもしれません。

でも、中学生にとってはそう簡単ではありません。

たとえばテストまで10日あるとします。

大人なら、

「今日は数学のワークを3ページ」

「明日は英単語」

「週末に理科と社会」

というように逆算して考えられます。

ところが、その方法をまだ身につけていない子にとって、

「テスト勉強をする」

という言葉は、とても大きく漠然としています。

何から始めればいいのか分からない。

どこまですればいいのかも分からない。

そうしているうちに面倒になり、スマホやゲームへ向かってしまう。

周囲から見ると、

「勉強する気がない」

ように見えます。

でも本人の中では、

やりたくないというより、始め方が分からない

ということがあります。

「もっと勉強しなさい」では解決しないこともある

こういう状態の子に、

「中学受験のときはもっと頑張っていたでしょう」

「せっかく合格したのに」

「もっと勉強しなさい」

と言い続けても、なかなか状況は変わりません。

本人も「勉強した方がいい」ことは分かっているからです。

必要なのは、勉強時間を増やすことより先に、

自分で勉強できる形を一緒に作ること

です。

たとえば、

「今日は何をする?」

ではなく、

「数学のワークを2ページだけやろう」

と具体的にする。

「テスト勉強しなさい」

ではなく、

「今日は英単語を10個確認しよう」

と小さくする。

終わったら、

「次は何をしなければならない?」

と責めるのではなく、

「今日はここまでできたね」

と一度区切る。

こうした経験を積み重ねながら、少しずつ本人が自分で勉強を組み立てられるようにしていきます。

いきなり「自立させよう」としなくてもいい

中学生になったのだから、

「もう自分でできるようになってほしい」

と思う保護者の方も多いと思います。

もちろん、最終的には自分で勉強できるようになることが理想です。

ただし、自立とは、

突然一人で全部できるようになることではありません。

最初は大人と一緒に予定を決める。

次は本人に二つの中から選んでもらう。

慣れてきたら本人が計画を立て、大人は確認だけする。

そして最後は自分でできるようになる。

少しずつ大人の手を離していけばよいのです。

自転車に乗る練習と少し似ています。

最初から手を離して、

「一人で乗りなさい」

と言ってもうまくいきません。

支えながら練習して、バランスの取り方を覚えたところで手を離します。

勉強も同じです。

中学受験を頑張れた力がなくなったわけではない

ここは、とても大切なところです。

中学受験を頑張ったお子さんには、すでに大きな力があります。

長い期間勉強したこと。

難しい問題に取り組んだこと。

試験というプレッシャーの中で頑張ったこと。

その力が、中学校へ入った途端になくなったわけではありません。

ただ、

「誰かが作った学習のレールを走る段階」から、「自分でレールを作る段階」へ移った

のです。

その切り替えがまだうまくいっていないだけかもしれません。

だから、

「この子はやる気がなくなった」

と決めつける必要はありません。

まずは「今日やること」を一緒に決めてみてください

もし最近、お子さんが勉強しなくなったと感じているなら、まずは一週間の完璧な学習計画を作る必要はありません。

今日だけで大丈夫です。

「今日は何をする?」

と聞いて答えられなければ、

「数学のワークと英単語なら、どっちからする?」

くらいから始めてみてください。

そして、できたらそこで一度終わっても構いません。

大切なのは長時間勉強させることではなく、

「自分で始められた」という経験を増やしていくことです。

その積み重ねが、やがて自分で勉強する力につながっていきます。

JUN SENSEIでは「勉強のやり方」から一緒に考えます

JUN SENSEIでは、単に新しい教材を増やしたり、長時間勉強させたりすることを最初の目的にはしていません。

学校の宿題やワーク、定期テストなど、今やらなければならないものを整理し、

「今日は何をするのか」

を本人と一緒に考えるところから始めます。

「勉強しなさい」と言われないと動けない。

何をしたらいいのか本人も分かっていない。

中学受験までは頑張れたのに、中学校へ入ってから勉強のペースをつかめなくなった。

そんな場合には、「やる気」の問題と決めつける前に、一度現在の学習の様子を整理してみると、解決の糸口が見つかるかもしれません。

JUN SENSEIでは無料学習相談を行っています。

まずは保護者の方だけでも大丈夫です。

今のお子さんの様子をお聞きしながら、どこで困っているのかを一緒に考えていきます。