わかる力は愛である

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「わかろう」という意志、これは何か。
言うまでもない、優しさである。
わからないものをわかろう、自分ではない他人をわかろう、この想像的努力のまたの名は、ほかでもない、愛である。
愛のない人にはわからない、愛のない人が、わかっている以上のことをわかることはあり得ない。
なぜなら、最初から、わかる気がないからである。
わかる気のない人に、なぜわかるわけがあるか。
愛していないものを、なぜわかる気になれるか。

わかる力は、愛である。
えてして人は気づいていない、真の知力とは、愛する力であることを。

『残酷人生論』池田晶子

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