魂を味わう

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人間は肉体であると同時に精神です。
肉体は必ず年をとるものですが、精神は物理的時間とは違う時間を生きているので、ある意味で年をとるとも言えるし、全く年などとらないとも言える。
精神がうまく年齢を重ねてゆくことができた場合、「成熟する」というふさわしい言い方があります。
肉体がそうであるように「衰える」のでは決してない。

そのような、自身の精神の成熟を味わうことこそ、壮年期を迎える人間の楽しみなのではないでしょうか。
精神を所有する人間にのみ許された特権です。
精神的な事柄を置き去りにして、肉体的な快楽のみを追求する生には不可能な快楽です。

『死とは何か』池田晶子

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