所有欲は悪ではない。
所有欲は働いて金を稼ぐことをうながし、その金銭によって人は充分な暮らしを送れるばかりか、人間的な自由と自立さえ得ることができる。しかし、人が金銭を使っているうちはいいのだが、所有欲が度を過ぎるようになると、人を奴隷のように使い始める。
もっと多くの金銭を得るために、ありったけの時間や能力を費やす日々が始まるのだ。
所有欲は、休みさえ与えてはくれない。こうして所有欲の手下となった人は、完全に拘束される。
『漂流者とその影』ニーチェ
内面の豊かさ、精神の幸福、気高い理想、といった人間として大切なものは無視されるようになる。
あげく、金銭面だけが豊かで内面がごく貧しい人間ができあがる。
だから、所有欲がどこで自分を征服しそうになっているか、よく注意しておかなければならない。
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