しょせんは言葉、現実じゃないよ、という言い方をする大人を、決して信用しちゃいけません。
そういう人は、言葉よりも先に現実というものがある、そして、現実とは目に見えるもののことである、とただ思い込んで、言葉こそが現実を作っているという本当のことを知らない人です。
「犬」という言葉がなければ、犬はいないし、「美しい」という言葉がなければ、美しい物なんかない。
それなら、言葉がなければ、どうして現実なんかあるものだろうか。目に見える物だけが現実だと思い込んで一生を終えるなんて、あんまりむなしい人生だとは思わないか。
『14歳からの哲学』池田晶子
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