本当に幸せな人

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幸せな人の心は二種類に分かれます。
ひとつは、どれだけ貧しくて、厳しい状況に置かれても、いつもゆったりとした雰囲気でいて、決して他人を責めたり、自分の運を呪うことのない心です。
もうひとつは、誰に対しても、まるで家族みたいに親切で、どこかで困っている人がいると聞けば、もうそれだけで食事がのどを通らなくなったり、不眠になったりするほど気を配る心です。

どちらも同じ心のことです。
つまり、自分がどれだけひどい状況に置かれても、そのことについては考えないので、その分、世の中の人たちに優しくなれる。
言い換えれば、世の中の人たちにいつも優しくしているから、自分がどれだけひどい状況になっても、あまり気にしなくて済む、ということでもあります。

ですから、自分の身の回りのことにいつも腹を立てているような人に、「今の世の中は……」と語ってほしくないわけです。

『覚悟の磨き方』超訳 吉田松陰 編訳 池田貴将

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