佐藤一斎

言志四録

慣れが失敗を招く

働きはじめてまだ仕事に慣れないうちは、ちょうど坂道をよじ登るようで一歩一歩が困難だが、かえって失敗がない。ところが仕事に慣れてくると、ちょうど坂道を下るようで、一歩一歩は容易だが、勢いに任せてしまうので、つまづいたり転んだりするものだ。 『...
言葉の力

真の楽しみ

誰もみな、心に楽しみを持つことが必要です。楽しみは自分の心の持ち方にあって、自分の外にあるのではありません。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

立志を大切に

JUN 現代語訳です。 志を立て、これを求めれば、たとえ、薪を運び、水を運んでも、そこに学問の道はあって、真理を自得することができるものだ。まして、書物を読み、物事の道理を窮めようと専念するからには、目的を達せないはずはない。 しかし、志が...
言志四録

実際に必要な仕事とむだ事

JUN 現代語訳です。 今時の人は、口癖のように忙しいと言う。しかし、そのしているところを見ると実際に必要なことをしているのは、十の中の一、二にすぎず、つまらない仕事が十の中の八、九である。そしてこのつまらない仕事を必要な仕事と思っているの...
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精神を収斂せよ

JUN 現代語訳です。 人の心が前面に集中していると、外界の事物を追い回して、まちがった行動をしがちです。だから、心を引き締めて、これを背中に住ませるようにして、判断に誤りを起こさないようにしなければならない。物欲を忘れ去ったその心こそ、外...
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立志の功

JUN 現代語訳です。 志を立てて実績を上げるには、恥を知ることが肝要です。 何を「恥」と思うかは、人によって違うようです。さて、あなたは何を「恥」と思いますか? JUN 原文です。 立志の功は、恥を知るを以て要と為す。 『言志録』佐藤一斎...
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学ぶために最も重要なこと

JUN 現代語訳です。 学ぶためには、目標を立てて、心を奮い立たせることが最も重要だ。しかし、目標を立てて、心を奮い立たせることも外から強制するべきものではない。ただ、自分自身の本心の好むべきところに従うのみである。 JUN 原文です。 学...
言志四録

憤の一字

JUN 現代語訳です。 発憤するの憤の一字は、学びを進めるための最も必要な心のはたらきです。孔子の弟子の顔淵が「舜も自分も同じ人間ではないか。(なろうとする志さえあれば自分でも舜のような人物になれない道理はないはずだ。)」といったことは、ま...
言志四録

天の自然の道はゆるやかに動く

JUN 現代語訳です。 天の自然の道はゆるやかにめぐり動き、社会の現象もゆるやかに変化するものです。この勢いはなるべくしてなる必至の勢いであり、この勢いは避けようとして避けられるものではなく、またこれを促して、速くしようとしてもできないもの...
言志四録

天を相手にする心

JUN 現代語訳です。 すべて事を行うには、天を相手にする心を持つことが必要です。人に示す気持ちがあってはいけません。 JUN 原文です。 凡そ事を作すには、須らく天に事うるの心有るを要すべし。人に示すの念有るを要せず。 『言志録』佐藤一斎...