池田晶子

言葉の力

友情 その1

自分が友達に本当に求めているのは何なのかということについて、一度ゆっくりと考えてみるといい。ただ一緒にワイワイやって面白いだけの友だちというのは、やっぱりそれだけのことであることが多い。本当に面白いのは、決してつまらなくならないのは、大事な...
言葉の力

理想と現実

しょせん現実はそんなもんだ、理想は理想にすぎないよ、そういう人も、最初は理想をもっていたに違いないんだ。その理想を持ち続けるのを途中でやめてしまったか、理想を実現する努力を怠けているか、その言い訳をしているだけなんだ。でも、努力を放棄された...
言葉の力

規則

規則というのは、自分の自由を規制する不自由なもの、と感じている人が多い。裏から言えば、多くの人の関心がそこにあるということだ。たとえば、とにかくお金に興味がある人に、「泥棒してはいけない」という法律は不自由だ。とにかくセックスに関心がある人...
言葉の力

「格差」というのは

「今普通に生活できている」、これがどの程度のことを言うのか、私にはわかりません。「こんな程度」ということを、言うことができるとは思えません。三度の食事を食べられていても、もっといいものを食べている人がいると思うなら、それだけでその人にとって...
言葉の力

わかる力は愛である

「わかろう」という意志、これは何か。言うまでもない、優しさである。わからないものをわかろう、自分ではない他人をわかろう、この想像的努力のまたの名は、ほかでもない、愛である。愛のない人にはわからない、愛のない人が、わかっている以上のことをわか...
言葉の力

アンチエイジングの不可能

きょうび世を挙げて、年をとることを否定しようとしている。それが言うところの「アンチエイジング」ですね。若いことが価値であり、年をとることは反価値だ。しかし、冷静に考えて、こんな不可能で馬鹿げたことって、ちょっとないですよね。だって、生きてい...
言葉の力

人間を創るものは

言葉は人間を支配する力をもつから、それを言うその人を、必ずそんなふうにしてしまうものなんだ。面白いから、そう思って、まわりの人を観察してごらん。正しい言葉を話す人は正しい人だし、くだらない言葉を話す人はくだらない人だ。その人が話すその言葉に...
言葉の力

言葉がなければ現実はない

しょせんは言葉、現実じゃないよ、という言い方をする大人を、決して信用しちゃいけません。そういう人は、言葉よりも先に現実というものがある、そして、現実とは目に見えるもののことである、とただ思い込んで、言葉こそが現実を作っているという本当のこと...
言葉の力

魔法の杖

言葉は道具なんかではない。言葉は、自分そのものなのだ。 だからこそ、言葉は大事にしなければならないのだ。言葉を大事にするということが、自分を大事にするということなのだ。自分の語る一言一句が、自分の人格を、自分の人生を、確実に創っているのだと...
言葉の力

苦しみは喜びである

幸不幸とは、「境遇」とは別のことだ。 幸福とは、努力である。外的なあれこれによらなくても、いかなる境遇にあろうとも、それ自身で常に幸福であることができるための、魂の努力である。 ところで、努力とは、善くなるために為されるものであって、悪くな...