佐藤一斎

言志四録

一心不乱

人は自ら休まず、一心不乱にものごとに取り組んでいるとき、心は充足感に満ち溢れ、余計なことに考えが及ばないものだ。邪心は消え、悩みも失せていく。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

私心と物欲

私心がなければ、無我、清明な境地に至る。これは邪念のない正義である。 物欲に執着がなければ、人に煩わされることはない。これは何の恐れもない勇気である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

人は変われる

人は、等しく人。そもそも能力などに違いはない。だが、生き様によって違った人生になっていく。遊び怠けていると、軟弱になる。困苦に逢うと、強くなる。満ち足りた暮らしに慣れると、優柔になる。激しく奮い立てば、剛毅になる。人の気質は、心掛け次第でど...
言志四録

学び続ける先にあるもの

少年の時に学んでおけば、壮年になってそれが役に立ち、何事か為すことができる。壮年の時に学んでおけば、老年になっても気力の衰えることがない。老年になっても学んでいれば、見識も高くなり、より多く社会に貢献できるから、身は朽ちてもその名は朽ちるこ...
言志四録

慣れが失敗を招く

働きはじめてまだ仕事に慣れないうちは、ちょうど坂道をよじ登るようで一歩一歩が困難だが、かえって失敗がない。ところが仕事に慣れてくると、ちょうど坂道を下るようで、一歩一歩は容易だが、勢いに任せてしまうので、つまづいたり転んだりするものだ。 『...
言葉の力

真の楽しみ

誰もみな、心に楽しみを持つことが必要です。楽しみは自分の心の持ち方にあって、自分の外にあるのではありません。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

立志を大切に

JUN 現代語訳です。 志を立て、これを求めれば、たとえ、薪を運び、水を運んでも、そこに学問の道はあって、真理を自得することができるものだ。まして、書物を読み、物事の道理を窮めようと専念するからには、目的を達せないはずはない。 しかし、志が...
言志四録

実際に必要な仕事とむだ事

JUN 現代語訳です。 今時の人は、口癖のように忙しいと言う。しかし、そのしているところを見ると実際に必要なことをしているのは、十の中の一、二にすぎず、つまらない仕事が十の中の八、九である。そしてこのつまらない仕事を必要な仕事と思っているの...
言志四録

憤の一字

JUN 現代語訳です。 発憤するの憤の一字は、学びを進めるための最も必要な心のはたらきです。孔子の弟子の顔淵が「舜も自分も同じ人間ではないか。(なろうとする志さえあれば自分でも舜のような人物になれない道理はないはずだ。)」といったことは、ま...
言志四録

天の自然の道はゆるやかに動く

JUN 現代語訳です。 天の自然の道はゆるやかにめぐり動き、社会の現象もゆるやかに変化するものです。この勢いはなるべくしてなる必至の勢いであり、この勢いは避けようとして避けられるものではなく、またこれを促して、速くしようとしてもできないもの...