佐藤一斎

言志四録

活きた学問

学問の「学」とは先人の教えを考察すること、「問」とは先生や友人に質問すること、これは誰でも知っている。しかし、「学」とは身につけた知識を必ず実践すること、「問」とは知り得たことを鵜呑みにせず、一度自分の心に問うこと、これを実行している人はそ...
言志四録

怒りと欲

怒りが心に溢れると気があらくなり、欲望が頭に渦巻くと心は消耗する。だから、怒りや欲望を押さえよ。それが心の修養となり、身体の養生になる。 『言志四録』佐藤一斎
言葉の力

楽しみは心のもち方にあり

心に楽しむところがなければ、人生は面白くならない。楽しみは自分の心のもち方次第だ。誰かが与えてくれるものではない。 『言志四録』佐藤一斎
言葉の力

言行の不一致

暑さや寒さが季節はずれであるとき、その天候不順に不平を言うものが多い。それなのに、言ってることとやってることが違っても、自ら反省し自戒するものは少ない。いかに自分の言動を省みない者が多いことか。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

真の自分と仮の自分

宇宙の本質と一致して、善悪を判別できる本当の自分がいて、身体を備えた外見上の仮の自分がある。このように自己に二つあることを自ら認めて、仮の自分のために真の自分をダメにしてはいけない。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

欲について

人は欲がないわけにはいかない。この欲が悪をする。天は人に善なる本性を与え、その上でこれを乱すものとして、欲という悪を付け加えた。天はどうして、初めから欲を与えずにおかなかったのか。はたして欲は、何の役に立つものか。 私が思うのに、欲は生きた...
言志四録

公欲と私欲

人は誰でも善悪の筋道を判別する理性を持っている。それとは別に、感情にって欲というものが顔を出す。理性に合致している欲を公欲といい、理性と衝突する欲を私欲という。感情によって欲が動き出すときに、理性に合致しているかどうかをきちんと分別しなけれ...
言志四録

準備万端ととのって、やむにやまれなくなって、蕾を破って外に咲き出すのが花である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

艱難の教訓

薬は、苦味の中から甘味が滲みでてくるものほど、多くの効能があるという。人も艱難辛苦を経験するほどに、深く細かな思考力が自然と滲み出てくるようになる。これが、物事を成就させる力となるのだ。全く良薬と同じ効能である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

自分が人に施した恩は忘れろ。 自分が人から受けた恩は絶対に忘れるな。 『言志四録』佐藤一斎