佐藤一斎

言葉の力

立志の立の字

立志の立という字は、真っすぐに立つことと、目印を立てることと、不動の三つの意義を兼ねている。すなわち、志を真っすぐに立て、その志を目標として、不動の心を持って進まなければならない。 『言志四録』佐藤一斎
言葉の力

学ぶ人の心得

学び始めるときには、必ず立派な人間に、善い人になろうという志を立て、それから本を読むべきです。そうではなくて、ただ知識を増やすためのみで学び始めると、その結果は、傲慢な人間になったり、悪事をごまかすために使うことになる心配があります。これは...
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真の善悪と仮の善悪

すべて世の中の事には、真の善悪と仮の善悪とがあります。仮の善悪というのは、世間の人が良いとか悪いとかいっていることです。年が若く、まだ学問が十分でないときに、仮の善悪を頭に入れてしまうと、後になって、真の善悪を知りたいと思っても容易に知るこ...
言志四録

過去から学べ

人は亡くなったとしても、いまを生きる者のために何かを残している。すでに過ぎ去ったことでも、未来に役立つ何かが学べる。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

老人の心得

老人は大勢の人々が仰ぎ見て、敬いのっとる所のものであるから、その言動はますます端正でなければならず、その志気はますます壮大でなければならない。そして多くの人を包容し、才能のある者を育て上げることをその志とするのが最も宜しい。 ところが、今の...
言志四録

過去を想起せよ

人は誰でも、自分が経験してきた事柄を思い返してみるべきである。すなわち、「ある年に自分がしたことはどちらが正当であったか、正当でなかったか。どちらが出来映えが悪かったか、良かったか。またある年に自分が計画したことは、いずれが穏やかであったか...
言志四録

人物評価

愛憎や好悪の思い、その思いで人を見ると、必ず間違った評価をしてしまう。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

人を指導する資格

真に寛容な心をもつ者こそ、人を指導する資格がある。寛容な者の教えだから、人もそれを謙虚に受け入れる。反対に、狭量な者には、人を指導する資格などない。そんな者に言われたって、人は素直に聞き入れるわけがない。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

長所を見る

人を見るとき、長所を見るようにし、短所は見ないように心がける。短所を見ると、その人よりも自分が優れているという驕りの心が生じる。逆に、長所を見れば、自らの不徳に気づき、より研鑽すべきとの気持ちが生じる。これは有益なことだ。 『言志四録』佐藤...
言志四録

恩と怨

「恩を受けたら恩を返し、怨みを受けたら、怨みを返す」という人がいるが、果たしてそうだろうか。恩を受けたら必ず返すのは当然だが、怨みを受けたら、その訳を深く考え反省する。それでいいではないか。 『言志四録』佐藤一斎