池田晶子

言葉の力

友情 その2

本当の友情、本当の友だちこそが欲しいのだけど、いない、と悩んでいる人が多いみたいだ。でも、いなければいないでいい、見つかるまでは一人でいいと、なぜ思えないのだろう。 一人でいることに耐えられない、自分の孤独に耐えられないということだね。でも...
言葉の力

友情 その1

自分が友達に本当に求めているのは何なのかということについて、一度ゆっくりと考えてみるといい。ただ一緒にワイワイやって面白いだけの友だちというのは、やっぱりそれだけのことであることが多い。本当に面白いのは、決してつまらなくならないのは、大事な...
言葉の力

理想と現実

しょせん現実はそんなもんだ、理想は理想にすぎないよ、そういう人も、最初は理想をもっていたに違いないんだ。その理想を持ち続けるのを途中でやめてしまったか、理想を実現する努力を怠けているか、その言い訳をしているだけなんだ。でも、努力を放棄された...
言葉の力

規則

規則というのは、自分の自由を規制する不自由なもの、と感じている人が多い。裏から言えば、多くの人の関心がそこにあるということだ。たとえば、とにかくお金に興味がある人に、「泥棒してはいけない」という法律は不自由だ。とにかくセックスに関心がある人...
言葉の力

社会とは

「社会」というのは、明らかにひとつの「観念」であって、決して物のように自分の外に存在している何かじゃない。 物のように外に存在してるかのように思われる「社会」、社会という現実は、皆が内で思っているその観念の、外への現れだ。観念が現実を作って...
言葉の力

完全な親なんか、人間の中には存在しない

考えてもごらん。君はもっと幼かった頃は、お父さんお母さんというのは、何でもできて何でも知っている全知全能の人みたいに思ってたかもしれないけど、そんなことあるわけないという当たり前のことについてだ。だって、君の親は、君が生まれることで、初めて...
言葉の力

「格差」というのは

「今普通に生活できている」、これがどの程度のことを言うのか、私にはわかりません。「こんな程度」ということを、言うことができるとは思えません。三度の食事を食べられていても、もっといいものを食べている人がいると思うなら、それだけでその人にとって...
言葉の力

古典という書物

生まれて死ぬ限り、必ず人は問うはずだ、「何のために生きるのだろう」。数千年前から人類は、人生にとって最も大事なこの問いについて、考えてきた。賢い人々が考え抜いてきたその知識は、新聞にもネットにも書いてない。さあ、それはどこに書いてあると思う...
言葉の力

どんな困難に出会っても

どんな生活、どんな職業であっても、生きている限り不幸は必ずやってくる。つらくて苦しくて、自分はなんて不幸なんだろう、そういう時は誰にでも必ずやってくる。だけど、不幸は、いかにそれが外からやって来るもののように見えても、やはりどこまでも自分の...
言葉の力

わかる力は愛である

「わかろう」という意志、これは何か。言うまでもない、優しさである。わからないものをわかろう、自分ではない他人をわかろう、この想像的努力のまたの名は、ほかでもない、愛である。愛のない人にはわからない、愛のない人が、わかっている以上のことをわか...