池田晶子

言葉の力

老いを味わう

老いるということは、外見やライフスタイルの問題ではない。それは完全に、内容の、精神のありようのことなのである。何を価値としてその人はそこまで生きてきたか、その時それは隈なく現れるのである。その意味でそれは恐いことではあるが、面白いことでもあ...
言葉の力

理想と現実 1

理想と現実とを別のもの、理想を現実の手の届かないものとしているのは、現実ではなくて、その人なんだ。自分で理想と現実とは別物だと思っているんだから、理想が現実にならないのは当たり前のことじゃないだろうか。思いや考えが状況や環境を作り出すのであ...
言葉の力

本物

本物を見抜ける目をもとう。本物を見抜ける人間になろう。そのためには、君が本物の人間にならなくちゃダメなんだ。本物を見抜けるのは本物だけなんだ。人の真似をする、逆に、人の真似はしなくても、あえて人と違おうとする、それは偽物だ。どうしてそうなる...
言葉の力

幸福は買えない

幸福というのを、お金に代表される、職業、生活、暮らしぶり、外から見てわかる形のことだと思うことで、人は間違える。どんな職業、どんな生活、どんな暮らしをしていても、その人の心が幸福でないなら、そんなものは幸福ではないということに気がつかないん...
言葉の力

幸福な魂

「幸福」の語によって、あれこれ中身を表象する人の不幸は、たとえば、そこには必ず比べる心があることだ。自分と他人を、自分の暮らしと他人の暮らしを、比べる心があることだ。しかし、自分の幸福に完結している魂が、いかなる理由があって、他人のそれらを...
言葉の力

いじめる方といじめられる方

いじめるよりも、いじめられる方がよいことなのは、いじめられる方の人は悪いことをしていないからだ。友達をいじめて、その子がつらい思いをするのを見て喜ぶような心は、悪い心だ。本当の幸福を知らない心だ。 いじめられている君は、心がとても傷ついてい...
言葉の力

自分がよければそれでいい?

人が何かをするということは、必ず自分にとってよいと思われることをするもので、悪いと思われることをするはずがない。殺人や売春をする人だって、そうすることが自分にとってよいと思われるからするのであって、悪いと思っていたらするはずがない。ところで...
言葉の力

本当にそうである

「本当にそう思う」ということと、「本当にそうである」ということは、違うことだと覚えておこう。だって、間違ったことだって、自分がそう思っているのだから、「本当にそう思う」と思えるわけだ。でも、間違ったことを本当だと思ったって、間違ったことが本...
言葉の力

「善意」はどこにあるか

「善」を知っている人だけが、「善」を行為できる。これは、驚くべき当たり前のことなのだが、多くの人がここを間違えるのは、「善」という何かが、抽象にせよ具体にせよ、なんらかの形で存在すると思っているからである。しかし、そんなものは存在しない。「...
言葉の力

自尊心

自尊心を持つ、ということと、プライドがあるということは、間違いやすい。誰も自分が大事で、プライドがあると思っているけど、それなら他人に侮辱されても腹は立たないはずだよね。なぜなら、自分で自分の価値を知っているなら、他人の評価なんか気にならな...
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