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言志四録

欲について

人は欲がないわけにはいかない。この欲が悪をする。天は人に善なる本性を与え、その上でこれを乱すものとして、欲という悪を付け加えた。天はどうして、初めから欲を与えずにおかなかったのか。はたして欲は、何の役に立つものか。 私が思うのに、欲は生きた...
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心を正平に

硯箱の墨が曲がっていた。翁はこれを見て、こう言われた。すべて事を行う者は、心を正しく平らに持つように心がけなくてはいけない。たとえば、この墨のようなものだ。誰も曲げようとして摺る者はないが、手の力が自然に傾くので、このように曲がるのだ。いま...
言志四録

公欲と私欲

人は誰でも善悪の筋道を判別する理性を持っている。それとは別に、感情にって欲というものが顔を出す。理性に合致している欲を公欲といい、理性と衝突する欲を私欲という。感情によって欲が動き出すときに、理性に合致しているかどうかをきちんと分別しなけれ...
言志四録

準備万端ととのって、やむにやまれなくなって、蕾を破って外に咲き出すのが花である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

艱難の教訓

薬は、苦味の中から甘味が滲みでてくるものほど、多くの効能があるという。人も艱難辛苦を経験するほどに、深く細かな思考力が自然と滲み出てくるようになる。これが、物事を成就させる力となるのだ。全く良薬と同じ効能である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

自分が人に施した恩は忘れろ。 自分が人から受けた恩は絶対に忘れるな。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

一心不乱

人は自ら休まず、一心不乱にものごとに取り組んでいるとき、心は充足感に満ち溢れ、余計なことに考えが及ばないものだ。邪心は消え、悩みも失せていく。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

私心と物欲

私心がなければ、無我、清明な境地に至る。これは邪念のない正義である。 物欲に執着がなければ、人に煩わされることはない。これは何の恐れもない勇気である。 『言志四録』佐藤一斎
言志四録

人は変われる

人は、等しく人。そもそも能力などに違いはない。だが、生き様によって違った人生になっていく。遊び怠けていると、軟弱になる。困苦に逢うと、強くなる。満ち足りた暮らしに慣れると、優柔になる。激しく奮い立てば、剛毅になる。人の気質は、心掛け次第でど...
言志四録

学び続ける先にあるもの

少年の時に学んでおけば、壮年になってそれが役に立ち、何事か為すことができる。壮年の時に学んでおけば、老年になっても気力の衰えることがない。老年になっても学んでいれば、見識も高くなり、より多く社会に貢献できるから、身は朽ちてもその名は朽ちるこ...